September 22, 2009

表明選好アプローチの報告内容

京都大学の栗山です。「表明選好アプローチの最新テクニック」を担当します。

今回は,回答者の選好多様性を分析する方法について報告する予定です。環境問題に対しては,関心の極めて高い人から,まったく関心のない人まで多様な人々が存在します。このため,こうした回答者の選好多様性を考慮した分析が必要となっています。

回答者の選好多様性を分析するために,これまでに数種類の方法が提案されていますが,その中で注目を集めているのが潜在セグメントモデルです。これは回答者を複数のグループに分解し,各グループごとに支払意思額を推定するモデルです。これまではグループ数が多いと推定が困難となることが多いため実用的とはいえませんでしたが,EMアルゴリズムと呼ばれる推定方法が導入されたことで,グループ数が多い場合でも安定的に推定値を得ることができるようになりました。

今回の報告では,こうした最新モデルを紹介するとともに,実際の推定手順を分かりやすく実演します。パラメータの設定方法やプログラミングのコツなど,普段の学会報告では知ることのできない表明選好法の実際を詳しくお伝えしたいと思います。

また質問の時間では,今回の報告に直接関係しないものでも,表明選好法全般に関する質問に回答しますので,この機会にぜひご質問を持ち寄りください。皆さんのご参加をお待ちしております。

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