October 20, 2009

被験者募集中

竹内です。

11月2日(月)、5日(木)、6日(金)に神戸大学で経済実験をおこなうため、被験者として協力していただける方を募集中です。神戸大学の学生、大学院であればどなたでも参加でき、1時間ほどで平均2,000円の報酬をお支払いします。

詳しくはチラシ [pdf, 92KB] をご一読の上、専用サイトからご登録ください。

注)10月28日深夜に募集は締め切りました。多数のご応募、ありがとうございました。

ここのところ、この経済実験の準備で、コロラド大学の三谷さん、神戸大学の大学院生・伊藤くんとひんぱんにスカイプ会議をしてます。時差は15時間でこちらが朝10時だとボルダー(コロラド州)は昨日の夜7時。国際電話だと料金が気になりますが、スカイプだとその心配もなく、ついつい議論はエンドレスに・・・。便利な時代になったものです。これから準備も佳境に入りますが、何とか成功させて、来年出版される予定の書籍で、成果の一端をご報告できればと思います。

October 17, 2009

京大セミナー

竹内です。

昨日は、京都大学の環境経済学セミナーに行ってきました。

報告者は京都大学の栗山さんで、私はコメンテーターを務めさせていただきました。
論文の内容はクーンタッカーモデルを用いた海浜レクリエーションの経済評価なのですが、実際にアメリカのカリフォルニア州であった損害賠償訴訟で用いられた値を再検証するという、評価額の使われ方に関するお話がとても興味深かったです。紹介されていたアメリカン・トレーダーのケースでは、原告と被告がそれぞれ主張するレクリエーション被害の評価額が食い違ってくるのですが、お互いに相手の評価額がいかに誤っているか、あの手この手で訴えるという、白熱した争いがくりひろげられたそうです。ちょっとしたデータの入力ミスが相手に有利な材料になることもあるので、研究姿勢にいっそうの緊張感が求められますね。

この環境経済学セミナーは、京都大学大学院生の横尾英史さんが運営しているもので、ほぼ月1回のペースで開催されています。もう次回、次々回の報告者も決まっているそうで、今後の展開が楽しみです。神戸大学でも不定期ですが、第一線で活躍されている研究者を招いて環境経済学研究会を開催していますので、ぜひこちらもよろしくお願いします。

October 14, 2009

ノーベル賞

すでに報道されているとおり、今年のノーベル経済学賞(ノーベル記念スウェーデン銀行経済学賞)は、Elinor OstromさんとOliver E. Williamsonさんの2人が共同で受賞されました。

このうちOstromさんは、漁業資源や森林資源といったコモンズ(共有地)について、集権的管理や私有化以外にも、利用者が共同で所有し管理するという方法があり、それがけっこううまくいく場合があることを指摘してきました。環境経済学に関わる成果が初めてノーベル賞を受賞したわけで、とても喜ばしいことです!

お2人の業績は、組織や制度など市場以外の統治方法に経済学的な視点から分析を加えたということで、学問的な系譜としてはRonald Coaseさんに辿ることができますね。Ostromさんのコモンズ研究とはかなり趣が違いますが、汚染物質の排出に許可証を与えて市場で取引する排出量取引の考え方も、ピグー税に異を唱えて権利の設定こそが重要だと指摘したCoaseさんに辿ることができます。あらためてCoaseさんの洞察の深さを感じます。

なおOstromさんは2006年に日本で開催された第3回環境経済学世界大会でプレナリースピーチをされました。そのときの報告に基づいた論文 "Tenure alone is not sufficient: monitoring is essential" が、環境経済・政策学会の英文学会誌 Environmental Economics and Policy Studies 8(3), 175-200 に掲載されています。ぜひご一読ください。

October 05, 2009

当日の配付資料

竹内です。

報告者の栗山さん、柘植さんから、当日に配付した資料が届きましたのでアップします。どちらもpdfファイルです。

栗山浩一「表明選好アプローチの最新テクニック」

柘植隆宏「顕示選好アプローチの最新テクニック」

セッション終了後に訳あって体調が悪化した三谷さんの資料は、もう少し先になりそうです。届き次第また公開しますので、いましばらくお待ちください。※三谷さんの体調は幸いなことにもう回復しているようです。